チャンピーの味をみたい

 彼は、支那へ来たからには、チャンピーの味をみたいと望んでいた。それは、来る前からの望みだった。作業中にも、纏足の前がみをたらした、褐色や紫の支那服を着た女が通ると、そッとそれをぬすみ見た。手や脚が、とてもきゃしゃ[#「きゃしゃ」に傍点]だった。 工場の函詰の女工にも彼の心はひかれた。 それは、...

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ボロ/\剥げて落ちるような壁

 高取は、一方の壁の傍で苦り切っていた。ボロ/\剥げて落ちるような壁だ。製麺工場の玉田が、何故そんな面をしているのか訊ねた。「貴様、仕事がツライから癪に障っているんか? 虫食ったような顔をしやがって。」「そんなこっちゃないよ。あいつらが、仕様がねえ奴等なんだ。あの、衣笠や松下などのゴマすり連中め...

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巨大な防禦設備

 それを、聞きのがさなかった高取は、苦笑を繰りかえしていた。(見えすいている!) 一時間十五分の後、命令された通りの巨大な防禦設備が出来上った。これなら、鬼でも来ろだ。 兵士たちは、くた/\になって宿舎へかえった。ドロまみれの手も、鼻も、頸も洗えなかった。水がなかった。昼食喇叭が鳴り渡る。向うの...

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