兵士達には部署がきめられた

 婦人はまた声をあげて、嬉しさとなつかしさをかくそうとせずに泣いた。 兵士達には部署がきめられた。部隊は別れ別れになった。一部は、蛋粉《たんぷん》工場へ向けられた。一部は福隆火柴公司《フールンホサイコンス》へ向けられた。一部は正金銀行へ向けられた。 銃をかつぎ、列伍を組んで、彼等はそれぞれ部隊長...

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無数の小さい日の丸の旗

 無数の小さい日の丸の旗を持って、出迎えている、人々の中から一人の女が、ふいに一等卒の柿本の前にとび出した。中年の歯を黒く染めた女だった。彼女は、柿本の腰にすがりついて、わッと泣き出した。……「宇吉ツぁん! よう来てくれたのう、宇吉ツぁん!……」「中ン条のおばさんじゃないか?」ちょっと一等卒は上官...

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外国人

 外国人は、たまに自分の国の人間の顔を見ると、それだけに心強いような気持になった。 彼等は、国と言葉を同じゅうしている関係から、この騒乱の中にあって、どんな困難にむかっても、どんな襲撃にむかっても、自分達は力を合して、堪えて行かなければならない。彼等は同胞というセンティメンタルな封建的な感情に誘惑...

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