他の兵士達

 一方で掘りかえされる黄土は、他の兵士達の手によって、麻袋《マアタイ》に、つめられる。 兵士は顔を洗うひまもなかった。頑丈な、蟇《がま》のような靴をぬいで、むせる[#「むせる」に傍点]足を空気にあてるひまもなかった。部署につくと同時に作業は初まった。 黄土にふくらんだ、麻袋は、工場の前へ、はこば...

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兵士達には部署がきめられた

 婦人はまた声をあげて、嬉しさとなつかしさをかくそうとせずに泣いた。 兵士達には部署がきめられた。部隊は別れ別れになった。一部は、蛋粉《たんぷん》工場へ向けられた。一部は福隆火柴公司《フールンホサイコンス》へ向けられた。一部は正金銀行へ向けられた。 銃をかつぎ、列伍を組んで、彼等はそれぞれ部隊長...

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無数の小さい日の丸の旗

 無数の小さい日の丸の旗を持って、出迎えている、人々の中から一人の女が、ふいに一等卒の柿本の前にとび出した。中年の歯を黒く染めた女だった。彼女は、柿本の腰にすがりついて、わッと泣き出した。……「宇吉ツぁん! よう来てくれたのう、宇吉ツぁん!……」「中ン条のおばさんじゃないか?」ちょっと一等卒は上官...

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